SPAGE開発者インタビュー

住まいと暮らしの総合住生活企業であるLIXIL。発売以来、リフォームを考えている人やお風呂好きから注目を集めているのが高級ホテルやスパリゾート施設のような心地よさを自宅で味わえるシステムバスルーム「SPAGE(スパージュ)」だ。

「肩湯」や「打たせ湯」などの機能の紹介はすでに何度かしているが、今回は開発者のひとりである、浴室 グローバルビジネスユニット 浴室開発部の中野悟和(なかの ごわ)氏に開発時の話を聞くことができた。


■ユーザーの立場になって「お風呂に求めるもの」を考える
「SPAGEはLIXILの扱うバスルームの中でも高級なシリーズです。だからこそ、お客様がお風呂に求めるものはなんだろうと悩みました」と中野氏は開発当時を振り返る。

お風呂に何を求めるのか……そのコンセプトメイクには1年を要したという。

「企画、デザイン、研究、設計とそれぞれの立場の社員が集まり、ワークショップなどを繰り返しながら考えました。その中で、たどり着いたのが『楽々癒美』というキーワードです。つまり、お風呂に求めているものは、楽しいこと、楽なこと、癒し、そして美容というわけです。それまでもリラックスやくつろぎというキーワードには注目しており、それをコンセプトにしたバスルームは商品化していたんですが、それを掘り下げ、今回のコンセプトが生まれたんです」。

高級志向の商品だからこそ、原点に返ったというのはおもしろい。

■それぞれの立場で追求したくつろぎと楽しさ
中野氏が成功を確信したのは、コンセプトをもとにデザイナーがSPAGEの原型を持ってきたときだったという。

「お湯との接し方でくつろいでもらうという発想を形にしたデザインでした」と振り返る中野氏。すでに「肩湯」機能のあるアクアフィールはこのころから盛り込まれていた。

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見ただけで、気持ちよさそうな肩湯。それはくつろぎと楽しさの両方を兼ね備えたデザインで、チーム全体が盛り上がったという。

「気持ちよさそうだし、実際にくびの後ろを温めるのは気持ちがいい。もちろん血流もよくするので健康にも美容にもいいですよね。コンセプトを的確についている! と思いました」。

これはいける、そう確信したのは2012年の2月だった。

そのときの確信のまま、次々とSPAGEは出来上がっていく。

今まで手付かずだった、洗い場はベンチを設置することで、快適にするとともに空間をスタイリッシュに。ここではいかにシャワーを楽しんでもらえるかということを追求した。

「海外のホテルで取り入れているところもありますが『レインシャワー』をイメージしていました。身体や頭を洗うためのシャワーではなく、リラックスするためのシャワーです。全身が雨に包まれるようなシャワーをを作るまでには、失敗もありました。座ったときにも、立っているときにも同じように浴びれるシャワーをと考えたんですが、どうもうまくいかない。当初は移動できる円盤型のシャワーを作ったんですが、座ったときに使うとお湯でおぼれそうな感覚を覚えたんですよ(笑)。LIXILでは長年にわたって水の研究をしているので、その中の技術を使って水のつぶにこだわりました。浴び心地をよくするために、水に空気を混ぜるんです」と中野氏は話す。

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「そうすることでシャワーヘッドから糸のように水が出るのではなく、ひとつひとつ粒のように、ほんとうに雨が降ってくるように水が出るんです。天井から包み込まれるようにシャワーを浴びるという感覚は新しいと思います」。


SPAGEを見てみると、圧倒的な高級感と自宅のバスルームだとは思えない機能にばかり注目される。だが、それを作り出したのは、ユーザーの立場になり「お風呂とは」を突き詰めた結果だった。

「楽しいこと」「楽なこと」「癒されること」そして「美容」。原点ともいえるそのコンセプトを支えたのは、LIXILが持つ過去の実績や最新のテクノロジーだ。「普通のことを突き詰めただけ」と中野氏は話すが、そこにこそ、贅沢さが生まれるのかもしれない。



■関連リンク
「リフォームを贈ろう。」LIXIL秋のショールームフェア2014
LIXIL SPAGE特設サイト

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