
子どもたちの成長を残しておこう、と写真をたくさん撮っているパパ・ママは多いと思いますが、反対に子どもたちにカメラを持たせてみた経験のある人は少ないのではないでしょうか?

普段はカメラマンとして雑誌などのお仕事をしているという佐藤朗さん(以下、佐藤先生)が子どもたちにカメラ教室開くということでさっそくお邪魔してきました。教室を通してカメラの技術を教えるだけでなく、家族とのコミュニケーションも円滑になるということで、今回取材に同行してくれるママレポーターも興味津々です。

参加してくれたのは、コラボの読者でもある三次由梨香さん(以下、由梨香さん)と、佐藤左也加さん(以下、左也加さん)。二人ともママで、左也加さんは3人のお子さんと一緒に参加してくれました。
今回、教室が開催されたのは練馬区の石神井氷川神社です。子どもたちがカメラを持ち、被写体はパパやママ。佐藤先生の「今日はパパとママにみんなが命令していい日だよ。『ママこっちに立って』とか口に出して自分が一番撮りたい写真を撮ってみよう」と言う言葉に子どもたちは大はしゃぎ。
普段は親から指示されることばかりの子どもたちにとって、パパ・ママに命令できるということはとっても新鮮です。佐藤先生は「自分の意思を親に伝えるということは子どもにとって大事なこと。ここから普段の生活の中でも、子どもたちが思いを伝えられるようになると思います」と話します。

カメラを持った子どもたちは「ママ、もっと笑ってー!」「ジャンプして!」と次々に指示を出していきます。シャッタースピードがわからず「ママ、4秒くらいジャンプして!」という声にはママも困り顔。

そんな親子のもとへ、佐藤先生がぐるぐると周り「どんな写真が撮りたいの?」と子どもたちの声を聞きます。解決法を示すだけではなく「だったらもっと下から撮ってみたら?」と選択肢を増やしてあげるのが佐藤先生流の指導。

「ママの笑っているカワイイ写真が撮りたい」というのは、左也加さんのお子さんたち。撮った写真はかわいいけれど顔が影になっており、普通のスナップ写真みたい……。
佐藤先生が露出とホワイトバランスについての説明をしてくれました。「少し暗いなと思ったら、露出とホワイトバランスを触ってみてください。オートで撮影すると自動的に明るさを選んでくれるのですが、それが必ず正解というわけではありません」。

明るくし、構図を変えた写真がこちらです。ママの顔も柔らかく見え、背景の緑もきれいに発色しています。カメラを覗きながら「すごい!」と子どもたちも大喜び。
1時間のカメラ教室はあっという間に終わり、最後はベストショットを先生が印刷してくれました。
「子どもにカメラを持たせてみたいと思いましたが、何歳くらいの子から持たせるのがいいと思いますか?」と質問をする由梨香さんは5歳の女の子のママです。
「僕の2歳の娘はiPadで遊びます。難しいことはわからなくても実際に持たせて触らせることはいいと思いますよ。今は子供向けのカメラもありますが、幼稚園の園児であれば触らせてもいいと思います」と佐藤先生は話してくれました。
■ママたちの感想
「アドバイスをもらうことで、子どもと一緒に大人もいい写真が撮れるようになるのが興味深いです」と由梨香さん。ご自分のお子さんにもさっそくカメラを与えてみようと考えているということです。
左也加さんは「子どもの写真はたくさん撮りたいのですが、自分が撮ると子どもたちだけの写真ばかりになってしまうので、撮ってもらうというのは新鮮でした。子どもたちにもカメラを持たせて、これからは家族写真をもっと増やしたいですね」と嬉しそうです。
子どもとのコミュニケーションのひとつになるカメラ。子どもたちがどんな風にパパやママを見ているのか知るためにも写真を撮らせてみるのは面白そうですね。
<佐藤朗先生について>
日本大学芸術学部卒業。
2004年独立後フリーランスフォトグラファーとして、雑誌、書籍、web、などで撮影活動中。
食の取材撮影に携わり多くの方が写真撮影で困っていることを受け、2011年に料理の写真教室Felica Spicoをオープン。
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記事提供:CoLaBo(コラボ)