こんにちは、オーストラリアでビデオエディターを目指している小島暢華です。

さて、今回は前回お話したEV (Exposure Value)/露出値をどう活用するのかについてお話します。

欧米ではSunny 16ルールが広く認知されています。晴天の日にISO100で撮影する場合、アパーチャーをF16、シャッタースピードを1/125秒に設定すると適正露出が得られると言うルールなのです。

EV表


適切な露出を得るためのガイドとなるEV、実は少々ややこしい計算によって数値が求められています。それを逆算していくのはちょっと大変ですよね。

一番簡単な使用方法としてはPモード(プログラムモード)、TvまたはSモード(シャッタースピード優先モード)やAvまたはAモード(絞り優先モード)を使って撮影する方法です。Tvモードではシャッタースピード、そしてAvモードではF値を設定することでカメラが自動的にその他の数値を計算してくれます。Pモードはシャッタースピード、絞りともカメラ任せになります。

しかしながら、カメラによっては少々露出オーバー/アンダー気味である、または背景が被写体より明るい/暗い場合の撮影では適正露出が得られないことがあります。そんな時には露出補正機能を使ってEVを+/-調節することが出来ます。

■Avモードで撮影
EV1

EV+2 シャッタースピード 1/13


EV2

EV+3 シャッタースピード 1/6


EV3

EV+3 シャッタースピード 1/6


■Mモードで撮影
ではMモード(マニュアルモード)で撮影したいときにはどうするのか。そこで私が使っているのはReciprocityというiPhoneアプリです(残念ながら英語のみです)。
EV4


EV5


このアプリでは求めている写真の効果に合わせていくつかの数値をロックできて、その条件からその他の数値を計算してくれるのです。

EV6

被写体が日陰だったのでEV11を使用しました。

EV7

ISO100 F5.6 シャッタースピード 1/60 (もっとも近い数値)

EV、理解するときれいな写真が取れるようになるのです。基本が分かれば自分のスタイルとして露出オーバーやアンダー気味に撮りたいときにどうしたらいいのかも分かりますよね。ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、どんどん活用してみてくださいね。慣れることで写真撮影ももっと楽しくなると思います。


Nobuka小島 暢華 (Nobuka Kojima)
現在オーストラリアに在住。ブリスベンのグリフィス大学でBachelor of Digital Media Productionを勉強し、卒業後はアシスタントエディターとしてABCとナショナルジオグラフィックチャンネルで放送されたドキュメンタリーThe Lost Years – A Sea Turtle OdysseyやTop Gear Australia Series 3の製作に携わる。またウェディングビデオの編集の仕事も行なっている。
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