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MacOS Xの新バージョン「Lion」(10.7)が発売し、使い慣れてきたユーザーも多いことだろう。その後得られた情報を含め、前回に続いてレポートしてみたい。

■クリーンインストールも一部可能
前回の記事で、MacOS X(Lion)はアップグレードインストールのみでクリーンインストールは「できない」と書いたが、一定の条件で可能なことが分かった。

コマンドキーとRを同時に押しながら起動すると、MacOS X ユーティリティーが起動する。ここからディスクの修復や再インストールが可能だ。ただし、再インストールには、ファイルをAppleのサイトからダウンロードするため、インターネットに接続されている必要がある。上書きインストールに不安を感じるユーザー、Snow Leopardなど旧環境を並行的に使いたいユーザーには朗報だろう。

ただ、事前に、いったんLionを上書きでインストールしておく必要がある。上書きを外付けドライブを使って行うなど、少し工夫が必要だ。

■2本指と3本指操作の違い
Lionでは、マルチタッチによる一部の操作が変更になった。前回、Webブラウザなどのスクロール(2本指による縦スクロール)方向が逆になったと書いたが、それだけではない。Webブラウザでページを移動する際、Snow Leopardでは3本指の横スワイプだったが、Lionでは2本指になった(記事冒頭の画像は、2本指のスワイプでページを移動しているところ)。

Lionではマルチタッチに全面的に対応したが、基本は、「アプリケーション内の操作は2本指、アプリを超える操作は3本指」。これを覚えておくと便利だ。ゆえに、フルスクリーンのアプリを切り替える際や、Dashboardの表示は3本指の横スワイプで行う(Misson Controlから選択しても可)。

ちなみに、アプリをフルスクリーンにした場合は、OS(Lion)側が自動的に新しいSpaces(UNIX系OSでいうと「ワークスペース」)をつくってそこに表示させる。フルスクリーンを解除すると、新しいSpacesの画面を解除し、旧Spacesに表示させるという仕組みになっているようだ。そのため、Mission Controlには作成済みのSpacesの各画面が表示される。

■Launchpadについて
Launchpadは、iOSのようにアプリのアイコンを全画面表示するものだ。ただ、当初、アプリは自動的に登録されるため、AppleScriptによる小アプリも表示されてしまう。

アプリの表示を消すには、iOSではアイコンを長押しして揺れる状態になったら、左上の「×」をクリックする。ただし、アプリ本体もアンインストールされてしまう。Mac App Storeで購入したアプリは、手軽に再インストールできるので問題はないが、やや不便だ。Lionでは、Mac App Storeで購入したアプリ以外では、この方法を使うことは不可能だ。筆者の環境では、標準的なパッケージからインストールしたアプリでは「×」が表示されなかった。

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■Spotlightもさらに便利に
ぜひオススメしたいのは、Spotlightがさらに便利になったこと。検索して表示されたファイルを選んでスペースキーを押すと、ファイルを開かずとも内容を見ることができる。スクロールで全体を見ることもできるので、PDFファイルの検索にも便利である。

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今後も、Lionのレポートを続けていくので、お楽しみに。


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大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。