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家電チャンネルではGM管式に限らず、広く放射線測定器の情報をお届けしている。東日本大震災以前は、一般の人にとってなじみの薄かった放射能だが、いろいろな測り方があることも影響し、情報が錯綜した。自分で放射線の線量を測りたい、という一心で見慣れない高い機器を買った人が多い。せっかく手に入れた測定器、できる限り正しく使うためのポイントをいくつかご紹介する。
■計測に不要な物質をきちんと遮断する
測定器が検知する主な放射線は、アルファ線・ベータ線・ガンマ線だ。機種によって、3種とも検知するもの、ベータ線とガンマ線のみ検知するもの、ガンマ線のみ検知するものがある。検知する放射線の種類が多いほど、数値は大きく出るので、身の回りの汚染状況をなるべく実態に近いかたちで把握するには、3種、または2種の放射線ともども計測した数値を見ていれば良いだろう。一方、公的機関などに汚染状況を報告するには、全国で統一されている方法、つまりガンマ線のみ計測した数値も把握しておくと一層の公平性が保たれる。

アルファ線は0.02mm程度の紙やアルミ箔で遮断されるため、これが飛んでくる場所は非常に限られている。また、測定器もアルファ線に対応しているものは少ない。一方、ベータ線は、アルミ板なら厚さ1cm、銅板および鉛板であれば厚さ3mmくらいで遮断できる。ECOTEST社の測定器では、ガイガー管部分を覆う銅板つきカバーがあるのは、ベータ線を遮断してガンマ線だけを計測するためだ。こうした付属のカバーがないときは、自分の測定器のどのあたりに検知器があるのかを把握し、その部分を約3mmの銅板で覆ってベータ線をできるかぎり遮断した場合の数値と比較してみよう。

また、土の上に置いて計測する場合には、測定器をビニール袋に入れて測ろう。測定器本体に放射性のチリがついたままでは、土の測定が終わったあと空気中の線量を測りたいときにも、付着した土の線量ごと検知してしまうからだ。ポリマスター社の防塵・防水機能つき測定器であれば軽く洗浄すればよいが、ほとんどの測定器はそうした機能を備えていない。測定器が直接土をかぶれば、機体内部にも微量入り込んで、常に計測値に影響を与え続ける可能性があるので注意が必要だ。


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