チャンネルとリモコンキーID


地デジ移行に伴い、各放送局のチャンネルが変わりました。
東京タワーからの電波を受信していた地域では、アナログ放送の時はNHK総合が1チャンネルでしたが27チャンネルに移動します。
日本テレビは4チャンネルから25チャンネルに、フジテレビは8チャンネルから21チャンネルに移動します。
これは東京タワーからの電波受信地域だけではなく、全国各地で同じように変わっています。
いやそんなことはない、テレビ朝日は10から5に変わったりしているが、NHKは今まで通り1を選ぶと映るという方がほとんどでしょう。
では、NHKが1から27チャンネルへ変わったというのはどういうことでしょうか?


■チャンネルと周波数
アナログ放送の時は東京タワーから出ていたNHK総合の周波数は90から96MHzの範囲を使用し、この周波数を1チャンネルと定義していました。
日本テレビの4チャンネルは170から176MHz、216から222MHzを使用するテレビ東京まで6MHz刻みに周波数とチャンネル番号が法的に決められ、そのまま使用していました。
しかし、デジタル放送になると今までとは異なる周波数で電波を出す必要があり、NHK総合の場合は554から560MHzの27チャンネルに、日本テレビは542から548MHzの25チャンネルに移動しました。

■物理チャンネルとリモコンID
このように放送局ごとに周波数が移動し、物理的なチャンネル自体が変更になりましたが、今までと同様に1や4など慣れているボタンを押すとそのまま映るようになっています。
これは、テレビ受信時に周波数を気にする必要がないようにチャンネル番号を使用し、これが浸透しているため、デジタルでも同じ番号を選ぶとその放送局が映るようにしました。その番号が「リモコンキーID」です。
今までと同様に1を押せばNHKが映るし、4を押したら日本テレビが映るようになっている、1や4の数字はチャンネルの番号ではなく、リモコンキーIDを選び、それに割り当てられた、特定のチャンネルが映るようになっているのです。

■UV共用アンテナ問題
この周波数の変更で、関西の一部地域ではNHK等が映らなくなると言う問題が発生しています。
アナログ放送時代の関西では、阪神タイガースの試合をサンテレビが神戸から放送していました。このサンテレビと、大阪の生駒山から放送するNHK総合やテレビ大阪などを受信するために、UV共用アンテナというのが普及していました。
UHFアンテナなので地デジで使用するUHFも使えるかと思いきや、アナログ放送時代に綺麗に受信するため、当時使用しない20から27チャンネルの周波数(512から560MHz)をカットする機能が付いていました。
デジタル放送では、大阪からのNHK総合は24チャンネル、神戸からのNHK総合は22チャンネルに、サンテレビは26チャンネルになったため、この周波数カットと重なってしまい、このアンテナを使用している方がデジタル放送を受信できなくなってしまいました。

デジタル放送のNHK総合(大阪・神戸)、サンテレビの受信不良について 近畿総合通信局

他の地域でもこのような問題が発生する可能性があり、対応に時間がかかるため長い時間をかけて早めのデジタル以降を呼びかけていますが、スムーズに地デジへ移行できるのでしょうか。地デジへの移行は2週間を切りました。

上倉賢 特殊航空無線技士 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
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