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家庭でも利用できるようなガイガーカウンターが欲しい!という場合どういうものを購入したらいいかの見極めが難しい。ガイガーカウンターの中には現在事故を起こしている原子力発電所の敷地内くらいの線量がなければ、まったく針が動かないようなものもあり、これは家庭での使用には不向き。しかも、本体の操作メニューや付属のマニュアルがロシア語や中国語しかないことも。
そんななか、震災の1ヵ月後の2011年4月11日、日本のメーカーから緊急防災対策価格68,000円(通常88,000円)で放射線測定器が発売されていた。システムトークスのデジタル式放射線測定器GC-SJ1だ。

■本体の寿命は約20年、電池1本で24時間稼動で約40日
厳密にガイガーカウンターと呼べるものは、GM(ガイガーミュラー)管式の放射線測定器だけなのだが、その部品の劣化の速さは前回の記事で述べたとおりだ。一方、半導体式の当機の寿命は約20年と、驚きの耐久性を誇る。電池も入手しやすい単三電池1本で24時間稼働した場合、約40日稼働する。

主に当機が検知するのはガンマ線のみ(他の測定器と同様にX線も検知するが、被曝が問題になるのは主にアルファ線、ベータ線、ガンマ線なのでここではふれない)。実は、他の線種が測れる上級機種を使用する際、わざわざアルファ線とベータ線を遮ってガンマ線だけの数値を読み取らなければ、全国の測定器ユーザーやモニタリングポストの数値との比較に有効なデータとはならないのだ。したがって、ガンマ線のみを測定することが家庭用の放射線測定器にとって必要かつ十分と言える。

放射線当量率は0.1 μSv/h-999.9 mSv/hと低線量域が細かく測れないが、都内のホットスポットなどのような、汚染地域を通過する際警戒し始めるべきレベルは0.1 μSv/hを超えたところから始まる。0.03μSv/hが0.05μSv/hに変動したことに一喜一憂しても、避難の目安にはならないので、これも家庭に必要な機能を無駄なく設定して低価格を実現したといえよう。

しかも、メーカー直販のサイトで在庫が切れていても予約は受け付けており、偽物を買ってしまうリスクも避けられる安心感は何にも代え難い。


システムトークス デジタル式放射線測定器 GC-SJ1


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(MIYUKI KOMATSU)