iTunesStoreで映画コンテンツのレンタル、販売が開始されたので、これを楽しんでいる人も多いのではないだろうか?北米ではビデオオンデマンドサービス「Netflix」が躍進している。そして、ソニーも自社の製品向けにオンデマンドサービス「Qriocity」を開始した。ビデオオンデマンドサービスが飛躍的に伸びる中、果たして次世代DVDと呼ばれる市販ビデオ「ブルーレイ」メディアの未来はどうなるのだろうか?


■すべてのメディアはクラウドになるのか?
本、雑誌、音楽CD、DVD、ブルーレイなどなど部屋を片付けていると、実にメディアが多いのを再確認してしまう。しかし、これらの多くは今後、クラウドサービスのなかに収まってしまうことになるだろう。本は電子ブック化してしまうし、音楽CDはアップルのiCloudをはじめとしたストリーミングクラウドサービスが引き受ける。さて、それではDVDやブルーレイはどうなるだろうか?

■ビデオオンデマンドの利点と弱点
現在でも、iTunesなどのビデオオンデマンドサービスでは買取りシステムというものがあり、買い取ったビデオはそのシステムのなかでもいつでも見ることができる。まさにビデオメディアのクラウド化だ。オンデマンドビデオには物理メディアに対して、物理的に買いに行かなくてもいいというメリットもある。逆にデメリットなのがブルーレイと比較したクオリティの低さと字幕などを自由に使えないことがある。

■ブルーレイ市場はどうなるのか?
しかし、あまりクオリティを気にせず、すぐに目的のビデオを見ることができる利便性は大きい。多くの人は休日などに適当にビデオを見たい時などはいちいちビデオを借りに行くのも面倒だろう。また、DVDやブルーレイも数が集まると、意外に保管に場所をとる。コンテンツが豊富に揃うようになればオンデマンドビデオが普及し、ブルーレイが減速してもおかしくはない。

■共存か淘汰か?
音楽CDはほぼiTunesに完全に殺されてしまった。ビデオオンデマンドでも同じことが起こるのだろうか?これはある意味でイエスだし、ある意味でノーだろう。映像のクオリティや音質を求める人々にとっては現時点ではブルーレイのほうが魅力的だからだ。将来、より高速な回線でハイクオリティなビデオ配信が可能になるまではブルーレイが絶滅することはなく、ビデオオンデマンドと共存していくことだろう。



一条真人 @ichijomasahito  [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。