パソコンのシャットダウンとスリープの消費電力量


パソコンや携帯電話には完全に電源を切るシャットダウンと、一部機能を稼働させるスリープがあることを電源オン・オフとスリープの違いで紹介しました。シャットダウンして電源を完全に切れば電力は基本的に使用しませんが、スリープの状態ではある程度の電力を使用します。
単純に考えればシャットダウンが節電効果が高そうですが、場合によってはシャットダウンの方がスリープより使用電力量が高くなることがあります。
それでは、シャットダウンとスリープではどのような場合にどちらが節電効果が高いのでしょうか。


■起動やシャットダウンで使用する電力は高い
起動やシャットダウンの時、なるべく早く起動するように各種機器がフルパワーで動作します。
HDDやCPUなど、起動やシャットダウンに関わる全ての使用する部品が電力を使用するので、起動やシャットダウン中の消費電力は高くなります。
一方、スリープやスリープからの復帰時は起動やシャットダウンとは異なり、ほとんど電力を使用しません。
しかし、スリープ中は若干ですが電力を消費します。
スリープし復帰と、シャットダウンし起動のどちらが節電効果が高まるかは、これらの使用電力量を調べる必要があります。

かといって、スリープ中の電力量や起動中などの電力量を全て測定するのは、高度な測定機と手間が必要で一般的にはほとんど不可能です。
また、機種や使い方によってもこの電力量は変わるので、それぞれの環境でどうしたらいいかというのは難しいのですが、マイクロソフトがこの検証結果を公表しています。
これによると、シャットダウン中とスリープ中の電力消費の差は0.5Wで、デスクトップパソコンの場合は1時間45分以内に再起動する場合、スリープと同等の消費電力になるそうです。


■2時間前後を目安にシャットダウンとスリープの切り替えを
マイクロソフトの検証では、どのパソコンでも2時間弱程度ならシャットダウンよりもスリープの方が、その間総電力量は変わらないとなっています。
例えば、昼休みの1時間や、会議への移動時の数分程度はスリープして、帰宅時はシャットダウンするというような運用が良さそうです。
どちらにしても、コンセントに接続してる場合、ACアダプタや電源部分が若干電力を消費するので、長期間使わない場合はコンセントからプラグを抜くというのも基本的な対策として重要です。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。