福島第一原発の爆発が誘因の節電。爆発後、2号機建屋にロボットでビデオカメラを入れようとした際、水蒸気でカメラが曇り、中には入れなかったということがある。
このときのビデオカメラ、たとえば防水対応のものだったのだろうか。仮に、防水対応だったら、中には入れたのであろうか。中には入れたら、その後の対応も変わったのだろうかというような、ふっとした疑問から現行の防水ビデオカメラについて見てみた。
■防水の必要性ってどれくらい?
現在、市販されているデジタルビデオカメラを防水対応で検索してみると、意外とさまざまな機種があるのに驚く。そのなかでも、一番よく知られているのが、元サンヨーの『Xacti』をベースに開発された、パナソニックのHX-WA10だろう。
ところで、ビデオを利用する日常生活のシーンで、防水がどれくらい必要かだが、これからの梅雨時などは、雨の中での撮影などが多くなる。また、夏ともなれば、海や川など、水辺での撮影シーンが増える。こうしたとき、雨や水の飛沫などがカメラに掛かるのは必須だ。なので、あながち無用な機能ともいえない。

HX-WA10-K
パナソニックの「HX-WA10」


■防水性能の等級
調べてみると、防水には、日本工業規格(JIS)によって「JIS C 920 防水保護等級」というものが規定されている。これは防水だけでなく、防塵も含めた保護の度合いを等級で表記したもので、カタログにも記載されている。
たとえば、先のHX-WA10でみると、「IPX8」といった保護等級の記載がある。「IPX」は、防水性能を表すコードで、その後に等級を表す番号が付いている。「0」が保護なしで、数字が大きくなるにつれて保護の度合いが高くなり、「8」まである(防塵など外来固形物対する保護等級のコードはIPで表す)。

■HX-WA10の防水性能は
ちなみに、HX-WA10の保護等級「IPX8」は8級に相当するが、これは「継続的に水没しても内部に浸水することがない」というレベルで、要するに水中撮影が可能ということになる。
ただし、同じIPX8でも、たとえば水深3mまでの耐水性能を持っているが、機種によっては1.5mまでしか対応していないなど、深さに対する性能には差があるので注意が必要だ。なお、HX-WA10は水深3mまで対応している。

節電から防水へという、ちょっと強引な引きではあったが、今後、耐水性の機器をチョイスする場合は、この「JIS C 920 防水保護等級」というものをチェックしてみよう。

パナソニック「HX-WA10」

阿部信行 @ramunepapa [digi2(デジ通)]
digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。